Unityで業界に翔び立つ人材を育成!ゲーム制作に必要な全てのスキルを教える新学部誕生
代々木アニメーション学院(以下代アニ)といえば、アニメーション界などで活躍する数々のスターを生み出しており、日本で放送されているほぼすべてのアニメ作品に代アニの卒業生が関わっているという名門だ。
そこに2020年、「ゲーム学部」が新設された。ゲーム総合学部の特徴は、学生が自ら決めた職種に学科が細かく別れていること。プログラマを目指す「プログラマ科」、プランナーを目指す「ゲームプランナー科」、プロデューサーを目指す「ゲームビジネス科」など、学生自身の志向に沿ったきめ細かい授業が行われている。
そして全ての学生に、Unity教育を行っているという。プログラマだけでなく、プランナーやプロデューサーを目指す学生にも、Unityの基本概念、操作とプログラミングを習得させて、チーム制作によって一本のゲームの完成を目指す。
Unityの汎用性の高さが就職に役立つ
ゲーム学部 野村 拓先生は、Unityを全ての学生に教えている理由を、「Unityはゲーム制作に最適な環境が構築可能で汎用性が高い。ゲーム業界以外の就職にもUnityのスキルは大きなニーズがある」と語る。
野村先生は代アニで20年教鞭を執り、激しく移り変わるデジタルクリエイティブの歴史を見てきた。そんな中で、これまではプロの世界でしかなし得なかったゲーム制作自体が、これからの時代、より一般化してくるという理由から、ゲーム学部が作られたという。
「ゲーム学部の全学生にUnityを習得させる理由は、プロデューサーであってもプランナーであっても、プログラマと一緒に仕事をしていく上で、Unityをちゃんと理解していないと困る場面がたくさん出てくるから」だという。
「例えばゲーム企画では、各ゲームジャンルの基本構造を理解させて、そのうえで自由な発想と共に破綻の無い企画を考えてもらっています。そして、素早くアイデアを形に出来るUnityの利点を活かして、実際に動くものをすぐ開発する。そうすることで、仕様設計をする上で、プレイヤーが必要とするものを実感し、リアリティをもって考える事が出来ます。仕様をしっかり固めた上で、本格的な開発・実装に向うことができるんです」(野村先生)
代アニならではの「つながり」を活かす
自らキャラクターを作り、動かし、配信する
代アニには「YouTuber科」もあり、そこでもUnityが活用されている。
代アニの強みは、「繋がり」があること。ゲーム学部では「アニメ音響科」の講師が教壇に立つこともあるし、声優タレント科の学生の声をゲーム用にボイスを録音したり、BGMやSEを制作することもできる。
録音スタジオなどの設備も充実している
ゲームにおけるアニメーションを教える時にも、アニメーター科の教材を参考にするなど、他学科とのカリキュラム上のやり取りも発生しており、層が厚くより実践的なカリキュラムが実現しているのだ。また、代アニには高等部もあり、ゲーム学部にも入学できるので、専門学校と高校教育の良いとこ取りができる、即戦力となる若い人材を育成できるというのも特徴だ。
そして、代アニならでは取り組みとして、企業とのコラボが盛んに行われているということがある。Vtuberのキャスティングに入ったり、アニメ製作委員会に出資するなど、コンテンツ制作に直接関わっている強みがある。さらには教育事業だけでなく、劇場運営・エンタメ事業も行っており、様々なクリエイティブが入り組んで、学生たちの夢を実現できている環境があるのは心強い。いずれゲーム学部でも様々なコラボレーションや取り組みを行っていきたいと野村先生は語る。
世の中に求められる人材を作る
野村先生は、プログラム教育に力を入れる理由を、「プログラマーの求人は、どんどん増えている。将来的には、さらに人材不足が深刻になる見通しがある」ということも一因としてあると語る。代アニには、声優も、俳優も、3DCGクリエイターも、そしてUnityプログラマもいる。「ジャンルの垣根を越えて溶け合っていくイメージがありますね。これからの時代を考えると。”これだけしかできない”という人材よりも、これもできる、あれもできるということが価値になっていくと思います」(野村先生)。代アニでしか生まれない新しいクリエイティブに出会える日が、もうそこまで近づいている。
ゲーム制作でも、代アニなら信頼できる。
ゲーム総合学部の学生3人にお話を伺った。
ゲームプログラマ学科の堀越大地君は代アニを選んだ理由を「ゲーム制作は一人では出来ない。声優やイラストレーターにも協力してもらうことを考えると、それらが全部揃っている代アニであれば信頼が置けると思ったから」だと語る。
Unityを使っていて楽しいのは、進捗が目に見えること。オブジェクトにリジッドボディを付けるだけで簡単に積み木感覚で遊べたり、オブジェクトに画像を貼り付けて配置するだけで「ゲームを作っている」と実感できる。自分の中の着想を広げていくかたちでゲームが作れるというわけだ。
ゲームビジネス学科の橋本航汰郎君は、プランナーやディレクターになって面白いゲームを作ってみたいという夢を持ち入学した。ゲームプランナー学科の西田悠人君は、もともと深いストーリーが好きで、ストーリーが重要なゲームを作りたいと思い入学した。入学し、チーム制作で進行管理を行ってみて、実際にゲームを作る難しさを知ったと語る。
代アニのゲーム総合学部は少人数制で、丁寧な指導が行われている。現場さながらの環境で学ぶことで、即戦力がこれから生み出されていくだろう。