帝塚山学院大学/Unityを活用して学生が「やりたいこと」を見つける

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学生が楽しみながら未来を模索していく授業

大阪府南部にキャンパスを置く帝塚山学院大学。情報メディア学科は情報システム構築からネットワーク技術、映像・Web・音楽制作など、学生たちが幅広いスキルを身につけることを目指す学科だ。Unity認定アカデミック・アライアンス校として、Unity認定コースウェアを使った講義やUnity認定試験の学内実施環境の準備などを行っている。それらの取り組みを率先して行っているのが喜家村奨教授。Unityを積極的に授業に取り入れ、Unityを通して学生たちがテクノロジーの理解を深めるカリキュラム作りに取り組んでいる。

喜家村教授がUnityを授業に採用したのは5年前に遡る。導入の理由は、「学生たちにプログラムを嫌いになってほしくない」という思いからだった。喜家村教授はこれまでにも様々なプログラミング言語やフレームワークを授業で採用してきたが、コーディングの難しさなどで “脱落”していく学生も多かったという。学生たちが楽しみながらプログラミングに親しむことができるツールを導入したい—そこで選ばれたのがUnityだった。

「私の専門はソフトウェア工学で、システム設計が専門です。情報メディア学科には、クリエイターになりたい学生もいればSEなどシステム系を目指す学生もいて、将来目指す像の幅が広い。その一方で、“まだ自分が何になりたいのかわからない”という学生もいます。クリエイターになりたいのであれば自作のコンテンツで就職に繋げられますが、エンジニアを目指す学生だとポートフォリオが就職に繋がらない。そこでUnityの資格を取ることで就職率を上げることができればとも考えています」(喜家村教授)

喜家村教授のゼミは11人を抱える。Unity上でゲームのステージなどを作り、学生たちが楽しみながらプログラミングに親しんで いくことで将来の選択の幅を広げている。

「プログラミング 教育は、まず興味を持つことが大事であり、その敷居 の入り口を低くしてあげられるのは、ゲームや発想を具現化できるAR/VR/XRである」

というのが喜家村先生の考えだ。

最先端の技術に触れられる環境を

またVRコンテンツを体験できるVRルームも備え、学生たちが先端のテクノロジーに触れることができる場も用意している。

「大学生活の4年間だけで、社会で通用するスキルを全て身につけることはできません。でも、大学生活では何を任せられても対応できる“基礎力”を身に着けてほしい。卒業後に、社会人として働くようになって、プログラマであればシステムなどを作るようになりますが、プログラミングの基礎力は学生自身の力になる。だからこそ、プログラミングを嫌いになってほしくないんです」

幅広い選択肢があるからこそ、学生たちが自分たちの夢に届くような能力を身に着けさせてあげたい。学生たちからも慕われる喜家村教授の教育方針は、いつも学生の未来が第一に考えられている。

帝塚山学院大学キャンパス

帝塚山学院大学では、学生自身がオリジナルのゲームを設計、アプリ完成するまでを導く。「最初から最後まで自分でやると力がつくんです」と喜家村教授は語る。完成品はオープンキャンパスで展示。卒業生はエンジニアとして就職するケースが多い。

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