岡山県・専門学校 岡山情報ビジネス学院/地元(地域)に愛される学校であるために。

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岡山でUnity教育を実践する意図

専門学校 岡山情報ビジネス学院(OIC)は岡山駅を降りるとすぐ見える、絶好のロケーションにある学校だ。就職決定率99.6%(2020年3月卒業生)という実績を誇り、総合専門学校には珍しいゲーム専門学科(ゲームクリエイター学科・ゲームプログラマー学科)を擁する。果たしてどのようなUnity教育が行われているのか、松浦先生、井上先生、熊澤先生、法華先生に聞いた。

メンター制で学生に寄り添った教育を

岡山情報ビジネス学院の特徴は、「メンター制」だ。つまり、担任教師がメンター(助言者)となり、一人ひとりをきめ細かくサポートし、自立へと導くシステムになっている。そのため、学生との距離が近く、絆も強い。

「学生とオープンキャンパスで出会ったときから入学、卒業、卒業後もずっと関わっていくんです。『去年オープンキャンパスに来たときはこうだったね』なんて話をしたり。学生の中には13回もオープンキャンパスに来てくれた子もいるんですよ。」(松浦先生)

「そういう子は、本当にモチベーションが高いですね。僕のクラスの学生ですが、クラスで率先してパソコンのセッティングなどを行ったり、クラスメイトに指示を出したり、リーダー的な存在になってくれています。他の学生もみんな個性が強くて、楽しいクラスです。」(法華先生)

「学生が卒業後もずっと慕ってくれるんですよ。私の場合、家族に誕生日を忘れられていたんですけど、卒業生に飲み会に招待されて。行ってみたら、『先生、誕生日おめでとう!』って祝ってくれたんです。あれはすごくうれしかったですね。」(井上先生)

それだけ愛着の湧く学校を卒業できるというのは羨ましいことだ。

学生が30人から80人に

岡山情報ビジネス学院では、ゲーム学科の学生が30名から80名ほどに突然増えるということがあり、教員たちが対応するのに苦戦したという。

「激増したのは、時代の流れもあると思います。特に岡山県内でゲームクリエイター学科がある学校はほんの一部。本校ではオープンキャンパスから卒業までしっかりサポートしますから、そういう面で安心感があるのかもしれません。高校の先生に『OICなら信頼できる』と薦めていただいたということも聞きます。ゲームクリエイター学科は設立して6年目なんですが、岡山県内の学生や高校の先生たちに「岡山でゲームクリエイターをめざせる学校がある」と認知していただいた結果、神戸や大阪まで行かなくとも住み慣れた地元で勉強ができるということが強みになったんだと思います。」(松浦先生)

教員たちも最初は手探りでUnity教育を行っていたという。

「教員は基本的に全員プログラマー経験者ですが、ゲームについては全くノウハウがない者も多くて。だから、我々が既に持っているスキルであるC++やC#を教えながら、並行してUnityを教えることで、学生とともに学ぶ形で教えていました。」(松浦先生)

学生の「やりたいこと」を応援する

その結果、大手ゲーム会社へ就職する学生を輩出するようになり、現在の人気があるのだという。

「入学後まず、基礎となるC言語やコンピュータ概論を学び始めます。ゲーム制作のベースになるプランナー向けの科目も全員が受講します。5月にはUnityでの開発を始めて、アーティスト志望の学生はMayaやPhotoshopを併せて学習したり、プログラマー志望の学生はゲームアルゴリズムを学んだりというように、学生がやりたいことが実現できるような体制にしています。」(松浦先生)

そうした学生の「やりたいこと」を応援するカリキュラムを組んだ結果、就職先もユニークなものになっていったという。

「人数比的には、ゲームプランナーをめざす学生が多いです。Unityも使えるし、プログラムも書ける、デザインもわかる、全体を見通す人材になれるということです。学生のころからグループのメンバーに指示を出してプロジェクトの進捗管理ができる学生が多いので、ゲームプランナーをめざす割合が一番多く、プログラマー、アーティストと続きます。他の学校と教え方が違うので、就職先も他とは違うものになります。」(松浦先生)

現在の進路はゲーム業界が2割、IT企業が残りを占める。

「Webデザイナーとして就職して、その後ゲーム会社へ転職する学生もいます。ストレートでゲーム会社に就職することは狭き門ですが、他で積んだ経験は次の就職先できっと活かせると思うので、卒業後もずっと応援しています。」(松浦先生)

「基本的に学生が興味のあるところを伸ばしてやりたいんです。『先生、これやってみたい』というものがあれば、アドバイスしてチャレンジする機会を与える。いろいろなことを勉強したうえで、『これが一番興味がある』というところを見つけて伸ばしていくことが、学生にとっても一番良いと思っています。最初はチームに馴染めなかった学生も、実は音楽の才能が有って、チームの音響担当になることもあるんですよ。」(法華先生)

「学生たちって本当に自由なんです。プログラムだけではなくて、作曲をしている学生も、お菓子のパッケージを作っている学生もいます。『何をやってみたいの?』とヒアリングして、とにかく個性を褒めて伸ばすという教え方をしています。」(熊澤先生)

そうした土壌から「やりたいこと」を見つけた学生たちが巣立っていく。

愛される学校とは、こうしてできていくのだ。

UAAの活用法

「今はUnityでゲームだけでなくVR・ARのコンテンツ作りも可能になっているので、よりUnity教育に力を入れて、いずれは建築や医療の方面にも就職できるところまで持っていきたいと思っています。そのためにもオンラインのUAAの特典ワークショップやセミナーを役に立てたいです。」(熊澤先生)

「今後は学生たちにUnity認定試験を受けさせるところまで導いていきたいと思っています。そのために『これをすればUnity認定が取れる』というシラバスを作るのが課題ですね。」(井上先生)

岡山からどんな新しい人材が出てくるのか、今後がさらに楽しみになった。

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