総合学園ヒューマンアカデミー 夢を叶えるためのUnity活用法 

総合学園ヒューマンアカデミーは、「学生のいま」と「未来の社会」をつなぐ業界密着型の教育機関。常に業界の最先端教育を実施する専門の学校であり、産学官協同に力をいれてる。全国に拠点を置き、2年制の全日制クラスと、社会人や大学生に向けた夜間・週末(短期)クラスを展開している。高校から進学する学生だけでなく、社会人や大学生になって、改めてクリエイターになりたいという夢を持ってヒューマンアカデミーに入学する学生も多いのが特徴だ。

今回は総合学園ヒューマンアカデミーの中でもゲームクリエイターの育成を行っているゲームカレッジがある総合学園ヒューマンアカデミー秋葉原校(以下、秋葉原校)にお伺いし、Unityを活用してどのように学生の夢を叶える手伝いをしているのかを聞いた。

坂本 拓也先生

今回お話をお伺いしたのは2年生の担任をつとめる坂本 拓也先生。秋葉原校ゲームカレッジは、プランナー、プログラマー、CGデザイナー、アニメーターの4専攻が用意されており、2年制ということから、入学してすぐに実践的な学習を行っている。ゲームカレッジが擁する講師は15名ほどで、いずれも業界の第一線で活躍している人材が授業を行うことで、学生たちも社会に通用する力を身につけることができる。

「私自身も、総合学園ヒューマンアカデミー福岡校の卒業生です。ゲーム業界で開発や採用に携わった後、秋葉原校に担任として赴任しました。Unityは2014年から使っております。元々ゲーム会社でもプランナーとして働いたのでエンジニアとしての経験はないのですが、Unityのおかげでエンジニアでなくてもゲームを作れるというところに非常に助けていただいています」

ゲームカレッジに入学する学生はゲーム業界を目指す人材。大学を卒業したり、社会人を経てからゲーム業界に入りたいと思う学生も多い。

「本校では、入学当初からゲーム制作を行います。。そこでプログラミング言語だけの勉強だけだと、ハードルが高くてなかなか自分の成長が反映されない、と挫折してしまう学生もいました。しかし、Unityを使えば、目に見えて自分の成果が見えるので制作のモチベーションに繋がるんです。そこで、入学した当初からプログラミング言語の習得と同時進行でUnityの使い方を覚えてもらっています」

西牧浩平先生

プランナー専攻の学生にもUnity教育を行っている。

「ゲームエンジン以前は、プランナーが企画を考えても形にできなかった。今はUnityがあるおかげで、考えるだけではなく、自分の手で実際に形にすることができます。企画書という形でなく、自分はこういうことがやりたいんだと相手にしっかり伝えられるので、プランナーにとっても非常に大きな武器になっている。また、実装の方法を知ることで、それに沿った仕様を書けるようになるので、そこでも非常に役に立っています。昔はプログラマにこんな実装はできないよ、と言われたものですが、今は企画者自身でやり方が分かるから、自分の考えはこうやったら実現できるというイメージが湧きます」

目次

とにかくたくさんのものを作ろう

2年制のため、入学したらすぐに就活が開始することを想定したカリキュラムづくりがされている。時間の制約がある中で、どういうことを学んでほしいと考えているのだろうか?

「ゲームカレッジとして掲げているのが、『たくさんものを作ろう』ということです。具体的には、2年間で7本ゲームを作るというスケジュールでカリキュラムを組んでいます。授業の他にも、3日間のゲームJAMなど、短期間の制作も行います。やっぱり実際にやることで得られるものが大きいので、たくさんの経験を積んでもらって、なおかつ就職活動にもアピールできる道具を準備するということを一番大事にしています」

ゲームジャムの様子

7作品というのは、チームで行われる作品数。個人で作るものを含めると、その数はさらに増える。「2年間で7本という数が作れるのも、Unityなどのゲームエンジンがあるおかげです。在学中の制作本数を増やすというゲームカレッジの計画や狙いを叶えるのに、すごく助けてもらっています」

プランナー、プログラマー、デザイナー、3つの専攻の垣根を取り払ってコラボレーションしゲームを完成させていく。プランナーが企画書と仕様書を作り、デザイナーとプログラマーとともにプランナーが決めたスケジューリングのもと制作する。非常に実践的な方法だ。

「ゲームカレッジには、より具体的で実践的な形でやっていこうという方針があります。7本のゲームにはそれぞれルールを決めているんです。例えば最初のゲームで横スクロールのランゲームを作る前には、横スクロールのランゲームを作るための仕様作りを教えてから実践してもらう。もう一つ意識して教えているのは『人に伝えることの練習』です。これは実際に仕事をする上で非常に重要なスキルになります」

たくさんの作品を作るため、学生たちにどのような指導をしているのだろうか?

「ヒューマンアカデミーならではですが、学生の年齢が千差万別なんです。17歳の高校生もいれば、社会人の学生もいます。なのでレベル感が学生によって全く違うんです。大切なのは、学生が前回の制作から今回の制作にかけてどれぐらい成長したのかということです。ですので、制作後には必ず振り返りをします。今回学んだことが何で、次に何を生かすのか?を自覚してもらうことで学生は成長していきます。私達教員が行うのは、制作の際に、学生が本当は何がしたいのか迷っているところを深堀りしてきちんと自分で表現できるように導くことです」

3年制、4年制とは違う戦い方をする。それがヒューマンアカデミーの目指すところだ。

大阪で行われている授業を遠隔で受ける

社会人になっても夢を諦めない

通信講座

大学卒業後にゲーム業界を目指してゲームカレッジに入学

ゲームカレッジ プランナー専攻 森章弘、石川未来

ゲームカレッジの学生、森章弘さんと石川未来さんにお話をお伺いした。二人とも、大学卒業後にゲーム業界を目指してゲームカレッジに入学し、見事にゲーム制作会社で内定を獲得。夢を叶えた二人は、ゲームカレッジで何を学び成長していったのだろうか。


「大学生の時にゲーム業界を志望して就活を行ったのですが良い結果が得られず、スキルを身に付けて再度チャレンジしたいという思いからヒューマンアカデミーを選びました。選んだ理由は、実践形式でゲーム制作のスキルを身に付けるところです」(森)


「僕は大学でプログラミングを専攻しており、プログラマーを目指して就活していました。内々定は頂けたんですが、本当に自分のやりたいことを考えたら『自分のアイデアを楽しんでもらうこと』だったんです。そこでヒューマンアカデミーを選びました。自分がアメフトをやっていて、学長の方も元アメフトの協会長だったという不思議なご縁もあったんですが(笑)、選んだ理由は
実際に企業の方が学校に来て作品を見てくれるので、就職に繋がりやすいということも決め手でした」(石川)


「授業で制作したゲームを学外のコンテストに応募する機会も多くて、渦巻がテーマのコンテストには竜巻を主人公にしたゲームや、メビウスの輪がテーマのコンテストにはメビウスの輪の上を歩くゲームを制作するなどして鍛えられました」(森)


「僕はアクションを作りたいという気持ちが強くて、コンテストに応募する他にも、個人的にデジゲー博というインディゲームのイベントに自作のゲームを出展していました」(石川)

「PSI FORCE」石川未来、チーム「超能力研究所 MK2」

「影わたり」森章弘、チーム「かげプロ」

「Unityはインスペクターや画面で直感的に触れる部分がかなり大きくて、それに補助する形でプログラムを書けばいいので、プログラム初心者でも結構扱えるのが良かったです。個人でゲームを作ることもあるんですが、初心者でも想像していることを実現できるっていうのが大きいし、ユーザーが多いのでインターネットにも情報が多いのに助けられました」(森)

「ゲーム作り=プログラミングというイメージによってハードルが高いと思われることが多いですが、実はその逆のこともあって、プログラミングができる=ゲームを作れるということではないんですよ。大学でプログラミングを学んでいましたが、ゲームでは全く違う挙動が必要とされるので、大学時代は自分のプログラムとゲームを結びつけることができなかった。それが、Unityだったらオブジェクトにドラッグ&ドロップでテクスチャや挙動をアタッチするというシンプルな仕組みでゲームが作れるので、制作のハードルが劇的に下がりました。それがイベント出展や就職に繋がったので、Unityの存在は大きいです」(石川)

「授業ですごく役に立ったのが、『発想学』という、思考力や論理力を鍛えるカリキュラムです。最初に結論を言ってから理由を話す、自分の考えを整理して話す等の教えを受けました。ゲームの企画を考える時はもちろん、就職活動の面接時にもすごく役立ちました」(森)

「僕は、坂本先生に言われた『このゲームの面白さは君自身の中でどういうこと?』という問いかけです。それまでは、ゲームは他人が遊ぶものだから他人にいかに面白いと思われるかということばかり考えていました。でも、作者自身が面白さをわかっていないゲームが他人に面白いと思ってもらえるわけはないんです。それからは自分自身が最高に面白いものを詰め込んだ作品を作るように心がけるように変わりました」(石川)

「卒業後は、志望していた会社で働くことになります。凄い先輩に囲まれる環境で、色々な技術や知識を吸収して成長する自分を楽しんでいきたいです」(森)

「僕自身が現実で辛いことがあった時にゲームにすごく救われてきたので、自分が作ったゲームで誰かの心を動かせるような、そんな作品を作れるようになりたいと思っています」(石川)

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