Annulus Games(中田 悠介さん)インタビュー
──ゴールドアワード受賞おめでとうございます!まずは率直な感想を聞かせてください。
中田:昨年と同じくゴールドアワードということで、受賞できて嬉しい反面、準優勝や優勝まで行きたかったなと思っているのが正直なところです。
──今回のUnityユースクリエイターカップに応募したきっかけを教えてください。
中田:TwitterでUnityユースクリエイターカップについて知ったのがきっかけです。昨年に引き続き今年も何か結果を残したいと思い、応募しました。
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──ゲーム開発をやってみようと思ったきっかけを教えてください。
中田:小学校のクラブ活動でScratchに触れたのをきっかけにゲーム開発を始めました。以前はXcodeやPlaygroundなどのツールを使ってゲームやアプリを作っていましたが、今ではUnityを使っています。
──今回の作品で、特にこだわった部分を聞かせてください。
中田:プレゼンでもあった通り、弾幕STGとローグライクという異なる二つのジャンルをいかにして組み合わせるかということです。一つのゲームとして成立させつつ、これらの二つのジャンルの長所を最大まで引き出せるようなシステムを考えた結果、現在の形に落ち着きました。
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──今回の作品で、一番大変だったことは?
中田:キャラクターやUIのデザインです。私がゲームを作る時は、必ず最初にビジュアルデザインのコンセプトを決めています。今回のコンセプトは「かわいらしいデザイン」だったので、そのコンセプトから外れないようにしつつ、視認性や機能性といった部分にも気を配ったデザインを考えるのには苦労しました。
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──作品制作にあたり、影響を受けた作品はありますか?
中田:「Slay the Spire」や「The Binding of Isaac」などのゲームです。今作はローグ色の強いプロジェクトだったので、マップやレリックなどのシステムはこれらのゲームを参考にしています。
──「中田さんらしさ」というのは作品のどこに表れましたか?
中田:操作感やUIの機能性など、細かいゲームの手触りにこだわった点です。グラフィックやシステムが優れたゲームでも、操作性が悪かったりUIが見にくかったりしては体験の質を損ねてしまいます。ユーザーに楽しんでもらうにはまず手触りから、という根本的な考え方がゲームにも表れていると思います。
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──ゲームを開発する上で、楽しいと感じるのはどんな時ですか?
中田:どのような物を作ろうか考える過程が一番楽しいです。最近はゲームよりも開発用のツールを作ることが多いですが、その際にもどのようなツールがあれば便利か、どのような設計にするかを考える工程に一番時間をかけています。
──本大会を通じて他の参加者との交流は生まれましたか?
中田:今年はオフライン開催ということもあり、昨年よりも多くの方とお話しすることができました。また、TwitterやDiscordなどを通じて大会後も交流を続けています。
──今後の進路や将来に向けた予定や展望、夢はありますか?
中田:可能であれば、インディーゲーム開発者として生活していけたらいいなと思っています。今はスマホやSteam向けのゲームの開発を中心に活動をしているほか、UnityやC#の知識を活かしたOSS活動にも挑戦しています。いずれはコンソール向けのゲームなども開発してみたいです。
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──今後どんな作品を作っていきたいですか?
中田:引き続きSTGを中心にゲームの制作を続けつつ、Unity用のライブラリの制作も進めていきたいです。ゲームを作っている間に開発した便利なツールがいくつもあるので、Githubやアセットストアなどで公開していけたらと思っています。
──ありがとうございました!
『Hello, Lucia』タイトル概要
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見知らぬ世界に閉じ込められた少女「ルチア」と共に敵を倒していく、弾幕シューティングの爽快さとローグライクなステージと敵のランダム性が融合したゲーム。プレイヤー自身が分岐したステージを選択することでアイテムをゲットしルチアをパワーアップさせる。
チーム:Annulus Games(中田 悠介)
2022年度 Unity ユースクリエイターカップ ゴールドアワードおよびベストプレゼンテーション賞作品
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