『Draw Near』:チーム名[OMNISCIENCE] – Unityインターハイ2017 受賞作品

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OMNISCIENCE(西村 太雅さん)インタビュー

──西村さんは昨年に引き続き二回目の優勝となりましたが、今のお気持ちはいかがですか?

西村:二連覇を達成することができて本当に嬉しいです。まさか今年も優勝できるとは思ってもいなくて、未だに実感が湧きません。

──おめでとうございます。そもそも、なぜゲームを作るようになったのでしょうか?

西村:中学二年生の時、私はもともとAndroidのアプリ開発をやっていたんです。ところが、例えば電卓やメモ帳を作っても、既にたくさん開発されて出回っていますよね。あるものを作ってもしょうがない、新しい物を作りたいんだと思って、ゲーム開発に目を付けました。ゲームならば、完全に世界に一つだけの、自分オリジナルなものを作成できるからです。

──去年は個人での参加だったと思うのですが、今年はチームを組まれたんですね。

西村:今年は私が中島を誘って2人で挑みました。当然チームの方が大変なことは多いですが、その分より良い作品が作れたのではと思っています。私はプログラミング、テクスチャ、デザイン、シナリオを担当して、中島がモデリングとアニメーションという分担でした。ゲームの世界観に関する部分は全て私が担当することで、統一感が出せたと思います。

──なるほど、世界観にはこだわりがあったんですね。何か影響を受けた作品はありますか?

西村:濃いストーリー、壮大な宇宙、巨大な宇宙船、逞しい主人公など、『STAR WARS』の影響を受けていると思います。宇宙というと冷たく無機的なイメージになりがちなので、作物を育てたり、魚を飼育したり、入浴したりなど、人間らしい温かみを出せるように工夫もしています。それに、ただ戦って終わりではなくて、宇宙船を拡張したり、仲間を助けに向かったり、様々な目的を持たせることでゲームとして単調にならないようにしました。子供の好奇心をくすぐるような科学の要素も取り入れて、薬品を混ぜ合わせたり、金属を精錬したりすることもできます。今回はとにかく、ゲームのスケールの大きさにこだわっています。

──グラフィックもいいですよね。

西村:ゲーム内オブジェクトはテクスチャ、アニメーションも含め全て自作しました。宇宙船内は金属が多いので光の反射には特にこだわっていて、出したい色の都合上あえて古いバージョンのイメージエフェクトを使ったり、様々な工夫をしています。

──多岐にわたって、細かいところまで手間をかけられていたことがうかがえました。

西村:「これって本当に高校生が作ったの!?」と聞かれる様なゲーム、言い換えれば、圧倒的な完成度を誇るゲームを目指していたんです。全行程において一切手を抜いていないため、本当に大変でしたが…。

──特に大変だったところはありますか?

西村:世界観とインタラクションの統一には苦労しました。ゲームの規模が大きくなればなるほど難しくなるため、ゲームの最初から最後までを真っ直ぐに貫く芯となる部分を築き上げることを大事にしました。 そして何よりも、時間との戦いに苦しめられましたね。半年で完成させるには、優先順位づけやお互いの都合を考慮した厳密なスケジュール管理が必要で、受験勉強との両立も課題の一つでした。

──では反対に、ゲームを開発していて楽しいと感じるのはどんな時ですか?

西村:頭の中で思い描いていたもの、想像していたものの全てが一つのゲームという形になって完成した時です。また、リリースしたゲームがたくさんの方に遊んでいただける様子を想像すると、それだけで気持ちが奮い立ちますね。

──今後どんな作品を作っていきたいですか?

西村:今後はゲームの枠を超えて、ゲーム開発で培ったテクノロジーを世の中の為になる事に生かしていきたいと思っています。これを出発点と捉え、幅広い知識と教養を身に着けて、自分の可能性を広げていきたいです。

──ありがとうございました!

『Draw Near』タイトル概要

漂流した宇宙船の中でサバイバル生活をするSFシミュレーションゲーム。他の漂流船にドッキングし、中に潜む敵と戦いながら資源を探索する。宇宙船を拡張し、地球に戻るまでに必要な電力や食料を確保していく。

『Draw Near』

チーム:OMNISCIENCE(西村 太雅、中島 正晴)

2017年度 Unityインターハイ 優勝作品

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