はじめに
2024年5月26日に開催された女子&ノンバイナリーの中高生・大学生向けテック・カンファレンス「Waffle Festival 2024」において、Unityブースにご参加いただいた参加者の方々にアンケートを実施いたしました。本アンケートは女子およびノンバイナリーの生徒・学生がITに興味を持ち参加を促進するための支援策を探るとともに、Unityブースでの体験に対するフィードバックを収集することを目的としており、その結果を以下に報告いたします。
また本アンケートの質問項目について、Unityを学生時代から使って活躍していらっしゃる3名の方が、今後学生の方々がテックに早い段階で触れられるようにするために、どのように手助けできるかを探ろうと質問の準備にご協力くださいました。
アンケートにご協力くださった皆様にお礼申し上げます。
またUnityのソーシャルインパクトに関する他の取り組みついては、2023 Unity ESG Report をご覧ください。
方法
調査期間: 2023年5月26日
参加者数: 33名
対象: Waffle FestivalのUnityブース来場者(女子およびノンバイナリーの生徒・学生)
要約:学生はプログラミング学習の困難さを感じつつも楽しさと達成感、実用性を実感
参加者の73%がプログラミングやITに関する学習経験を持つことが分かりました。学習のきっかけとしては、学校教育や家族・友人の勧め、ゲーム制作への興味が挙げられます。学習の進行においては、エラー処理やプログラムの動作理解、情報検索の困難さが主な課題として挙げられました。しかし多くの参加者は、創造性を発揮して何かを作り上げる楽しさや、プログラムが思い通りに動作する達成感を大いに感じていました。
プログラミングやITに対するイメージは、「難しさ」と「楽しさ・可能性」が両立し、プログラミングが「就職に有利」や「専門性が高い」という認識も広がっています。
参加者のITやプログラミングに関する経験
- 今までにプログラミングやITに関するツールなどを勉強したことはありますか?
- 年齢を教えてください。
- 12才未満
- 学習経験あり: 75% (3人)
- 学習経験なし: 25% (1人)
- 12〜14才
- 学習経験あり: 50% (5人)
- 学習経験なし: 50% (5人)
- 15〜17才
- 学習経験あり: 90% (9人)
- 学習経験なし: 10% (1人)
- 18才以上
- 学習経験あり: 78% (7人)
- 学習経験なし: 22% (2人)
ITを学ぶためのイベントへの参加者ということで、7割以上が学習経験がある。14才以下でも6割以上であり、早い段階からITやプログラミングに触れている。
3. 1で「はい」と答えた方にお聞きします。勉強したことのあるツールやプログラミング言語を教えてください。
回答の集計(多い順)
ツール/プログラミング言語 | 回答数 |
Python | 12 |
Scratch | 5 |
JavaScript | 4 |
Thunkable | 4 |
Unity | 4 |
C++ | 3 |
HTML | 3 |
CSS | 3 |
Swift | 3 |
React | 2 |
PHP | 2 |
C | 1 |
C# | 1 |
Swift Playgrounds | 1 |
Blender | 1 |
Progate | 1 |
Laravel | 1 |
TypeScript | 1 |
Pythonの学習者が多く、Schrath, JavaScript, Thunkable, Unityと続く。複数学習している参加者も多い。
4. 1で「はい」と答えた方にお聞きします。勉強を始めたきっかけはなんでしたか?
学校で教わったというきっかけが6割以上。家族に勧められたのは2割程度で、学校以外では様々なチャンネルからIT、プログラミングに関わるきっかけを得ている。
5. 1で「はい」と答えた方にお聞きします。勉強を始めたときに難しく感じたことはなんですか?
- プログラムの動作やエラーに関する難しさ (8回答)
- プログラミングのエラーの対処の方法が全然わからなかったこと。
- なかなかうまくプログラムが動かないこと
- なかなか自分の思ったとおりに動かなかった時
- エラーが解決できない時
- エラーが中々解決されない時
- コードが思った通りに動かなかった時
- デバッグ
- エラー 英語で書いてある文
- 学習内容の多さや理解に関する難しさ (5回答)
- 覚えることが多いこと。
- 細かいことが多くてわかりにくかった
- 仕組みを知ること
- アルゴリズム、関数の多さ、その言語の仕様
- 疑似コードは書けるが、モジュールとか独自のルールが難しかった
- 情報の不足や調査方法に関する難しさ (5回答)
- 調べても出てこないことが多いので、情報が載っているサイトが少なく困った。
- 調べ方だったり、風潮を知らないので、察するのが難しいです。
- やりたいことを調べるのが難しかった
- 英語
- ときどきいみがわからない
- モチベーションや持続性に関する難しさ (2回答)
- モチベーションの維持
- どれだけやっても何もわからないこと
- 構造や具体的な技術に関する難しさ (2回答)
- プログラムの中で、もっとスムーズに動かすためにはどうすれば良いか
- DBの設定が難しかった
6. 1で「はい」と答えた方にお聞きします。勉強を始めたときに楽しかったことはなんですか?
- 動作やプログラムの成功に関する楽しさ
- プログラミングで自由に組めて楽しく遊べることが楽しかった。
- プログラムがうまくいかない時に直せたこと
- 自分の思ったとおりに動かせた時
- 自分が考えたようにちゃんと動いたとき
- 何回も失敗した後に動いた時!
- 試行錯誤したあとに問題が解決できたこと
- 分からなかったものが解決して自分も思ったように動いた時
- 書いたコードがうまく動いたとき
- 創造性や自分で作り上げることに関する楽しさ
- 自分で作っていってできていくのが楽しかった
- 自分の思い通りにプログラムできること
- 自分が作りたいものがつくれたとき
- 自分で操作して動かせる体験が楽しいです
- 自分で考えたサイトが作れた時
- 自分の思い通りのところへキャラクターを動かしたり、想像が叶えられる
- 色々なものを自由に作れること
- いろいろつくれる
- 上達していく感覚
- 構造や論理的思考に関する楽しさ
- 覚えるのはたいへんだけど、一度覚えたらそれをパズルみたいに組み合わせたら多様な動きができるところ
- プログラミングで新しく物を動かすこと
- 論理的に考えるところ
- 具体的な成果に関する楽しさ
- 機能が一つ完成した時
- できることが増えていくのが面白かった
- 自分が作ったものが動いたこと
- 問題が解けること(競技プログラミング)
すでにプログラミング学習をしている参加者は、エラー処理やプログラムの動作、デバッグ、情報の適切な検索が難しいと感じ、学習内容の多さや理解の複雑さも課題に感じる一方で、創造性を発揮して何かを作り上げるプロセスに大きな楽しさを見出している。論理的思考や実際に動作するプログラムの達成感、具体的な機能の完成など成果に満足もしている。
7. 1で「いいえ」と答えた方に対してお聞きします。これまでにプログラミングやITに関するツールなどについて
8. 1で「いいえ」と答えた方にお聞きします。これまで始めたことがなかった理由として思い当たるものを選んでください。(複数選択可)
プログラミング学習に触れたことのない参加者の半分以上が始めようとしたことはあるが始めていない。始めていない理由の6割以上が難しそう、2割が何からはじめれば良いのかわからなかったと答えており、イメージやチュートリアルの提供の仕方などでより触れる機会を増やすことが有効と考えられる。
9. プログラミングやITに対してどんなイメージがありますか?
- 難しさに関するイメージ(計 10回答)
- 難しそう
- 難しい、ややこしい
- 計算が大変
- 難しそうだけど、できるようになったら楽しそう!
- 勉強時間が必要
- 固苦しい
- 楽しさや可能性に関するイメージ(計 14回答)
- 自由に組め無限にゲームを作れる楽しいこと。
- 色々なゲームが作れる
- 色々なことができる、なんでもつくれる
- 自分の理想をできる範囲で実現することができる
- 楽しそうだし、可能性もいっぱいあるけど、敷居が高い
- これから先もっと進化していく
- 上手くなったらかっこいい
- 自分の思い通りのところへキャラクターを動かしたり、想像が叶えられる
- あたらしい
- 楽しそう
- 面白い分野
- サウナみたい。エラーという熱い部屋、解決コードという水風呂を見つけ、その後の整いタイム。
- 専門性や実用性に関するイメージ(計 8回答)
- 数学が必要
- 就職で有利になりそう
- 難しい、専門性
- 便利、専門的
- 初歩から高度まで様々なものが作れる
- 将来役立つ
- 自分の理想をできる範囲で実現することができる
難しいというイメージの一方、自由度の高い創作活動や問題解決の楽しさ、できることや今後の発展の可能性の大きさに魅力を感じている参加者が多い。将来的な実用性も認識している。
10. 普段使っているデバイスはなんですか?
スマートフォン、パソコンともに8割近い参加者が使用している。
Unityブースの実施報告と感想
実施日:2023年5月26日
実施内容:Unityユーザー学生応援メッセージ動画の上映、ゲーム制作のためのテンプレートについて、1対1で、5-10分ほどエンジニアからハンズオンを行った
11. Unityハンズオンを体験した方にお聞きします。体験したデモはどうでしたか?感想を教えてください。
12. Unityのブースを体験してUnityをどのくらい使ってみたいと思ったか教えてください。
13. 13の回答の理由を教えていただけますか?
- 今すぐ使ってみたい
- 使ったことがあったけど、自分とは違う方法で動かす方法や、新しい方法があってその方法を今すぐ試したかった。新しい方法を知れたりして楽しかった。
- 楽しかったのと、自分も簡単にできそうだったから
- すごく興味深いなと思った
- 複雑なコードが少なく、すでにいろんな素材があってそれを組み合わせて面白いものが出来そうだから。
- 人が優しい、会話が楽しい人が多くイメージがいい!
- グラフィックが綺麗だった
- ゲームが好きだから
- ゲームが好きなので、自分のゲームを産みたい
- 友人がunityでゲームを作っていたから
- 好きなゲームと同じような動きをプログラミングによってできると知って感動したから
- 本などで調べ、シンプルなプログラムをしてみたい
- 難しかったけどこんなふうに作れたら楽しそうだから
- 学生や個人に丁寧なサービスなどを提供しているから。
- 元々使ってみたいと思っていたから、面白そうだと感じたから
- とても楽しかったため
- 興味や必要が出たら使ってみたい
- とても見ていて楽しそうだったから
- 新しいことを生み出し、可能性があると感じるから
- 興味はあるが、pcのスペックがあまり高くなくきちんと動くか不安
- めんどくさいし、他の趣味があるのでまだいいかな、とは思っているけれど、楽しかったので少し触れてみたいと思ったからです。
- ゲームに苦手意識がある
- パソコン部だから
- 作りたいゲームがない
- 面白そうだった
- 使う予定はないが気になる
- いろんな人がやっていたから
- 楽しそうだから
- 使う予定と興味はない
- むずかしそうだから
短時間のハンズオンでシンプルなゲーム制作のためのテンプレートを動かしながら紹介するものであったが、多くの参加者が「今すぐ使ってみたい」と答えており、大部分が「楽しかった」や「新しい方法を試したい」といった理由を挙げている。また、使いたい理由には「興味深い」や「使いやすそう」というポジティブな印象が多く見られ、短時間のハンズオンであっても興味や意欲を引き出す効果が大きい。